本書を読んで、大きな学びを得た。ビジネスでどういう文章を書けばいいかが理解できた上に、練習問題で学んだことを練習することもできた。本書に、「アメリカと違って、日本では文章を書き方を習わない」と書いてあるが、確かにこの本に書いてあるような内容は習ったことがなかった。
この本で学ぶ文章の書き方は、「7つのルール」としてまとめられているので、やればいいことが理解しやすい。 ビジネス本の中には、小さなコツが多く書かれていて、何が重要なのか分からないものも多い。そういったビジネス書は、あれも重要、これも重要という具合で、読み終わった後に「結局、どうすればいいのか?」となってしまう。それに対して、本書では、とにかく7つのルールをおさえておけばいいわけだ。本書に書いてあるような、はっきりとしたルールに従えば、文章を書くとき迷う事がない。
また、本書はどういう文書を書けばいいのかの具体例が多いのに加え、どういう文書が良くないのかの例も多い。実際に新聞や論文などのを引用し、「支離滅裂」「何かいいたいのか分からない」とはっきりと指摘している。これによって、どういう文章が悪い文章なのかもわかる。
本書は、「書く技術」を身につけるためのノウハウ集ですが、見本集にもなっています。本書の文章は、全て本書で説明している書き方で書かれています
引用:本書
文章の書き方を教える本が、その書き方通りに書かれていないと、説得力がない。その点、本書は上記のようにハッキリ書かれているので頼もしい。
一生使える文章の技術を2千円程度で学べるのはお得だと感じた。ただし、本書はサラッと読んで、すぐに身に付くような種類のものではない。文字が多く、内容が堅いので読むのも大変だ。本腰をすえて本書を読んで、練習問題をしっかりとやる必要がある。
以下は、本書を読んでいて気になった点だ。
・冒頭の部分、いきなり「本書の目的」から入っている。ここは少し唐突な感じがした。この本は何の本か?、どういう本か?の概略がないと、まず全体像のイメージが湧かない。全体像のイメージが湧かないまま、いきなり目的というのは唐突だ。
・本書で適用されている、色分けや、字体の変更、網掛けのルールが説明される前に、冒頭からいきなり適用されている。これも唐突感を生んでいる。
・「パラグラフ」という言葉の意味が説明される前に、何回も使われる。本書にとって重要なキーワードなので、先に説明があったようが、理解がスムーズに進むと感じた。
このように、内容そのものではなく、本の構成上の理由による分かりにくさを少し感じた。