【書評】伝わる図解化

【タイトル】伝わる図解化
【著者】加藤拓海(図解デザイナー)
【ジャンル】
図解
【評価】

※PR広告を含みます

概要

伝わる図解とはどういうものなのか伝わる図解作る思考プロセスひもとくように解説される。

特徴

レビュー参照

レビュー

読んでみての一番の感想は、非常に分かりにくい本ということ。今まで読んだ本の中で、恐らく一番分かりにくいだろう。本が出版されるに至るまで、色々な人の目に触れる機会があると思うが、同じ感想を持った人はいないのだろうか?ありとあらゆる点で分かりにくくする要素が満載だと思う。以下に分かりにくい理由を挙げてみる。

分かりにくい理由①:言葉の定義の説明が多すぎる

言葉の定義の説明が多くて、なかなか話が進まない。辞書から言葉の説明文を引用し、それをもとに言葉の定義が解説される。これが何回も繰り返されるのだ。その説明が長い上に、そこまで厳密に知る必要があるのか?と思ってしまう。辞書など持ち出さずに、自分で噛み砕いて簡潔に説明してほしい。

分かりにくい理由②:独特の言葉が多い
独特の言葉が出てきて、それが繰り返される。例えば以下のようなものだ。

「図解のwhy」「図解のWhat」「図解のhow

これらの言葉は何回も出てくるが、その度に何を意味するのかを見返さなければならなかった。ビジネスでこれらの言葉をよく使っている人ならともかく、普通は中身がイメージできる日本語で書いてくれた方が理解しやすい。

また、「分解の文法」という言葉も多く出てくる。実際にこの言葉が示しているのは、図解を作る手順と、手順を行うときの注意点だと思う。これを「分解の文法」と表現している。これは英語からくるものらしいが、もっと中身がイメージしやすい表現にならないのか?

分かりにくい理由③:本の階層構造が分かりにくい
本の階層構造を分かりにくくする要素が多数ある。

<階層構造が分かりにくい理由1>・・章のタイトルから中身がイメージしずらい

例えば、章のタイトルが

「図解のwhy&what①」図と図解を区別する

という章がある。これを見てパッと見て何を説明する章なのか?が分かりずらいのだ。その原因は、「図解のwhy&what①」にある。この言葉に馴染みのない読者にとってはこれがノイズとなってしまうのだ。しかも、①って何?って思ってしまう。そもそも、図と図解の違いを一章も割いて説明する必要があるのか?と思ってしまった。簡潔に説明すれば、1ページで終わる内容ではないか?

<階層構造が分かりにくい理由2>・・見出しが見た目分かりにくい

一般的に、見出しは本文と区別するために、何だかの形で極端に目立つようにすると思う。ところがこの本ではやや大きめの太字でかかれているだけなので、強調表現と混同してしまう。

<階層構造が分かりにくい理由3>・・1つの見出し配下の説明が長い

1つの見出しの配下の説明が長すぎて、何についての説明だったか分からなくなってしまう箇所が多く見られた。読んできた内容を一言一句覚えている前提で本を構成している?って思えてしまう。

例えば、1つの見出しの配下で、以下のような図解の3つの要素の説明がある。

要素1:字
要素2:図形 点/線/面/矢印
要素3:画 ピクトグラム/アイコン/イラスト

これらの説明が合計20ページ以上にわたって続く。説明が長く細かい為、読んでいるうちに図解の3つの要素の話だったことを忘れてしまった。

分かりにくい理由④:使用されている図が分かりにくい
全体として図が見にくく、パッと見て何を言いたいのかが分からない場合が多い。例えば、各章の冒頭にある、「章の概要」の図解であるが、考えないと何を言いたいのか分からなかった。まず、濃い緑の塗り潰し箇所に黒い文字が書かれている箇所が見にくい。しかも、緑が強すぎて緑に目が行くので、見にくい箇所を逆に見てしまう。そして、図解と言っても文章が多いので、最初から文章で書かれていた方が分かりやすいと感じた。

以上、分かりにくいというのが1番の感想だが、他にも気になる箇所がある


その他、気になったこと①
本書の序盤に、「テクニックばかりで、本質を理解してないとうまくいかない」というような事が書かれている。しかしながら、本を読んでも、その「本質」とはいったい何だったのか?がよく分からなかった(差をつけやすくすること?)


その他、気になったこと②
本書の最初に、「必要なところ読み始めて構いません」と書いてある。多くの人は、せっかく購入した事だから最初から全部読むはずだ。そもそも、読んでちゃんと理解しないと、必要かそうでないか分からない。

以上が本を読んでの感想となる。繰り返しになるけど、本が出版される前に経る過程で、分かりにくいという声はなかったのか?

タイトルとURLをコピーしました