この本がすごいのは、守るべきことは7つというシンプルな構成だ。他の大多数の自己啓発書では重要とされることが沢山出てきて、結局何が重要なのかが分からないケースが多い。本書ではこのシンプルな構成のおかげで読んでいて迷子にならない。
こういった本の構成に加え、具体的なエピソードが非常に豊富なことも特徴だ。そのエピソードによって、抽象的な各習慣が非常に理解しやすい形で表されている。また、本書には多くの図表が挿入されている。それらは、抽象的な概念を説明するための簡単な図だが、妙に印象に残り、理解を飛躍的に助ける効果がある。
本書の大きな特徴として、問題を小手先の技術で解決しようとする姿勢を戒めているという点がある。近年の自己啓発本は「たった○〇日で効果が出る」という謳い文句のものを多く見かける。7つの習慣はそれらとは対照的で、テクニックはその場しのぎに過ぎないとしている。その事は本書の序盤に、明確に記載してあり、本書の目指す方向性と言っていいだろう。
以上、上記のように多くの点で、綿密に練られた本である。世の中には多くの自己啓発本があるが、本書ほど広い範囲をカバーし、かつ内容が深い本を見たことがない。まずこの本を読み、この本ではカバーできないような細かい事柄を、他の自己啓発本で補っていくという形でよいのではないだろうか。
コメント