秒で伝わる文章術(宮崎直人 著)

【タイトル】秒で伝わる文章術
【著者】宮崎直人(コピーライター、UXライター)
【ジャンル】文章術
【評価】

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概要

伝えたい事を、正しく、素早く読み手に伝えるための文章術が解説される。

この本の特徴

文章術を説明するにあたって、根拠となるデータが数多く出てくる。

レビュー

世に出回っている製品、商品に使われている文章の実例が出てくるのが面白い。普段は意識していないけど、目的に応じて、選び抜かれた言葉が使用されている事が分かる。また、目的によっては記憶に残らない文章を書く場合もあるというのは奥が深いと思った。

本書には、筆者の主張の根拠や裏付けとなるデータが多く出てくる。著者の経歴を見ると理工学部出身とのことで、それがこの理系的な説明につながっているのだろうと思った。

※以下、個人的に気になったことを挙げます。

①同じキーワードが何度も繰り返され、くどいと感じた。しかも、そのキーワードがフワッとしていて、何度も繰り返される意味があるのか?、と感じてしまった。

②読んでいるうちに迷子になる感覚があった。本を読んでいて、今読んでいるこの話は、何を説明するためのものなのか?・・・その位置付けが分からなくなる場合が多かった。その原因は、章のタイトルの付け方や、章の分け方にあるのではないかと思う。

例えば、第2章は「○〇が正義」というタイトルになっていて、この章は何を説明するための章かが分かりにくい。例えば、「文章を書く上での大原則」というようなタイトルならば、その章が何を説明するのかがははっきりと分かる。

また、第3章は文章を書く上で重要な幾つかのルールを示している。ルールは以下のように書かれている。
<ルール>
・ ○〇が最強

・ ○〇が命
 
というような表現になっている。先程と同様に、表題から中身が分かりにくい。この場合のルールとは、いわば「守るべき規則」であって、「〇〇すること」「〇〇しないこと」というような形で表現されるべきだと思う。

こういった表現の仕方が、読んでいるうちに迷子になる一因だと思う。

ページレイアウト的にも説明が始まる前に、「ルール①:○〇」と見出しが大きく書いてあれば迷子にならないと思うのだが。

それに加え、2章で説明されたことは、3章のルールの1つなのか?それとも3章のルールを適用する上での、土台となるものなのか?・・・章の分け方の意図がくみ取れなかった。

また、3章のルールは文章を書く技術を列挙したものであるが、その中に1つ別カテゴリーのものが混ざっているのも気になった。

まとめると、本の階層構造を捉えにくくする要因が多いため、迷子になるのでは?

③ページデザイン的に見にくいと感じた。重要箇所太字にしてあり、更にマーキングまでしてある。これがノイズとなって読みにくさを感じた(本文中には、余計な装飾はしないこと、と書いてある)

しかも、この重要箇所が結構多い。重要箇所が多いということは、相対的にそれほど重要ではないともいえる(本文中には、言いたい事を絞ること、と書いてある)。また、蛍光のピンクが多用されていて、レイアウト的に見にくさを感じた。  


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