読みやすい本と、読みにくい本の違い

本を読んでいると、読みやすい本と読みにくい本がある。もちろん、内容的に興味がなければ、読むのは苦痛だ。しかし、内容は興味があるのに、読んでいて疲れる、読んでいるうちに何の話か分からなくなるという本もある。その理由は一体何だろうか?その原因は本の構成にある事が多い。

この記事では、読みやすい本と読みにくい本の違いを見た目で分かるようにします。本を選ぶときの参考として頂ければと思います。

本を木に例える

どのような本も、本の主題があって、いくつかの章から成っている。さらに章の中には、見出しがあり、その配下には説明がある。これが基本的な本の階層構成だ。見た目で分かりやすくするために、本の構成を木に例えてみる。本の主題は「木の幹」、章は「枝」、見出しは「小枝」、説明は「葉」である。それが下の図だ。

このように図にすることで、本全体の印象やバランスが見た目で分かるようにできる。

読みにくい本の特徴

では、読みにくい本というはどういう本なのだろうか?それは、「読んでいて本の階層構造が分かりにくくなる本」である。

例えば、読んでいる話の細部が完全に理解できなくても、この話は「○〇についての話」という位置づけが分かれば、問題なく読み進められる。その為には、本の階層構造を意識できるような作りになっている必要がある。もちろん、市販されている本は、目次を見ても分かるように、一定の階層構造になっている。しかしながら、読んでいるうちに階層構造が頭から飛んでしまう本も多数ある。そういった本は以下のような原因があることが多い。

①一つの見出しに対して説明が長い
②大きな項目と、小さな項目が同じ階層に並ぶ

③本のデザイン、レイアウトが原因で階層構造が分かりにくい
上記①~③を詳しくみていく。

①1つの見出しに対して説明が長い本
説明が長い本というのは、下図のようなイメージだ。枝(見出し)に対して、葉っぱ(説明)の分量が多い。

枝葉末節という言葉があるが、説明が長ければ長いほど、本筋から外れていったり、次の話題になかなか進まないのでテンポの悪さを感じるようになる。筆者が「丁寧に分かりやすく」と思って説明を長くすると、読者からすると長くて退屈に感じる場合が多いのだ。今の時代、映画を早送りして見たり、SNSでも短い文章や動画に情報を集約する。つまり、長い説明を忍耐強く読む人は少ないのだ。

逆に、読みやすい本というのは、説明が簡潔だ。下図のように説明が簡潔だと、話全体がテンポ良く進むため、読みやすく感じる。

②大きな項目と、小さな項目が同じ階層に並んでいる
このパターンは非常に多い。例えば、コミュニケーションの本で以下のような構成になっていたとする。

例)
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■人間関係を良くする技術

 ・見出し1・・会話は相手を主人公にする

 ・見出し2・・「さすが」は使える言葉
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見た目上は階層構造になっているが、内容的に同じ階層に並ぶ項目ではない。【見出し1】ではコミュニケーションの大きい原則を言っている。一方で【見出し2】は1つの小さなテクニックにすぎない。これらの項目が同じ階層に並べると、階層構造の意味がなくなるのである。【見出し2】の内容はどこかの見出しの中の葉っぱのようなものだ。このパターンは、あれも重要、これも重要というような自己啓発本に多い。


③デザインやレイアウト上、見にくい本
デザインやレイアウトの関係で、見にくいと階層構造が分かりにくくなる。通常、主題や見出しは、目立つようにする。しかしながら、それ以外の強調部分などが目に入り、相対的に見にくくなっているものがある。特に多くの色を使用しているものに多い

階層構造が分かりにくくなる根本原因

結局、階層構造が分かりにくくなる本は、内容が乏しい場合が多い。本は大体ページ数は決まっていて、そこにどのように内容を展開していくかになる。内容が乏しいと、それを薄めて本のボリュームを出す必要がある。その為、説明が長くなったり、小粒な内容で見出しを作成しなければならない。その結果、バランスの悪い階層構造となってしまう。

逆に内容が豊富な本は、それを厳選、凝縮して本にするので、無駄に説明が長くなったり、無理に小粒の見出しを作る必要がない。

読みやすい本の例

例1:堀江貴文さんの著書全般
堀江貴文さんの著書は読みやすいものが多い。見出しがほぼ一定間隔で並んでいて、それが結論にもなっている。なので、読む前に結論が分かる上に、その後にある説明が簡潔だ。その為、テンポ良く話が進んで停滞することがない。木で表せば以下のようになるだろう。

例2:7つの習慣」
階層構造が分かりやすい本の例として、「7つの習慣」という本が挙げられる。重要な事は7つという、極めてシンプルな構成だ。この本は、内容が深くて一度読んだだけでは理解できない部分もあるが、枝(章の構成)がはっきりしているので、全体的な流れを見失う事がない。

まとめ

以上、読みにくい本と読みやすい本の違いについて説明してきました。書店に行くと、大量に本が並んでいて、一番目に付くのは本のタイトルです。タイトルで中身は大体分かりますが、今回記載した内容も本選びの参考として頂ければと思います。

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