普通に考えると、新幹線の車内販売は必要なら買うし、必要でないと買わない。売る人によって大きな差が出るとは考えにくい。しかしながら、茂木さんの場合は、茂木さんだから売れたという事になる。
茂木さんが行っていたのは、雑談で客との距離を縮める「雑談接客」。本の中では、雑談接客エピソードとして、米やシャンプー等が売れる様子が紹介される。そのエピソードから、雑談接客がどういうものか、イメージが湧いてくる。声を出すこと、会話をすることで、人との繋がりができ多くの商品が売れていく、そんな接客だ。
本全体として、こういう手法をとったら上手くいったというより、振り返ってみればここがポイントだった、というようなニュアンスが感じられた。
茂木さんは以下のように書いている。
子供の頃は、感情を自由に表現できていたけれど、大人になるにつれて自分の気持ちや表情を素直にだすことが不得意になっていませんか?
マニュアル通りでなくあなたらくしくでいいんです。
引用:雑談接客売り上げ5倍!
まさに、雑談接客はマニュアル通りでなく、自分らしさを出せる接客だ。
要は、教わった事や、常識とされていることを鵜吞みにして、思考停止してはいけないのだろう。そういった観点では、この本は接客業だけでなく、他の業種でも参考になる。
※若干、本の構成として分かりづらいと思った。読み終わった後に、結局、何が一番重要なのか?が分かりづらく、自分で話を整理し直す必要があった。なぜそうなるかといえば、解説される話が、「大原則」なのか「小さなコツ」なのか、その位置付けが分かりにくい本の構成になっているからだと思う(個人の感想です)。