この本を、メモのテクニック本だと思って読み進めていたら、意外な展開が待っていた。
内容がだんだん深くなり、「自分を知る」ことや「夢の実現」という話に発展していった。自己啓発本の中では、特殊な部類に入ると思う。これだけ大きなテーマを含みながら、本の主役がメモとなっている。
「メモの魔力?」
恐らく、書店でこの本のタイトルを見ても、何の本かは分からない。(※自分自身は、著者の「人生の勝算」を読んで、ファンになったから購入)
普通に考えると、メインは「夢の実現」、その達成手段として有効なのが「メモ」・・・という本の構成になると思う。しかしながら、本書は逆の展開となっていて、「メモ」が主役であり、いきなりメモの話から始まる。
でも、本を読むとメモは筆者の生き方その物である事が分かり、納得もいく。何が筆者を突き動かすのかも書いてある。筆者の全力投球の一冊だ。
以下は印象に残った言葉。
(自分のやりたい事が分かっても)行動に落とし込めずに夢が夢のままである人がどれだけ多いことか。僕は、一度しかない人生において、何も行動を起こさず夢を夢のままにしておくのは、本当にもったいない事だと思います。
引用:メモの魔力
筆者の思いがこもった言葉だ。もちろん本書には、「では、どうすればいいか?」が書いてある。
自己啓発本は活用することが重要だ。でも、いきなり筆者と同じことをやるのはハードルが高い。個人的には、読んで楽しんだり、感心したり、部分的に活用したりでもいいのではと思う。自己啓発本は、「そういえば、あの本にこういう事が書いてあったな」というように、後で戻ってくる場合も少なくない。
本書は、重い内容も含んでいるものの、まずは軽い気持ちで手に取ってみるのがいいのでは、と思う。
※個人的に、本書の中でやや説明が長い、細かすぎると感じる箇所があった。