著者のトヨマネさんは、趣味がパワポという独特な人だ。ツイッターで発信する内容は面白く、為になる。ただし、書評は書評。正直な感想を書きます。
まず、全体として書いてある内容が頭に入ってこないと感じた。
とにかく文章が多く、読むのに疲れてしまった。どんなことでもそうだが、長い説明を聞いたり、読んだりするのは苦痛なものだ。細かい話よりも、まずは、「どうすればいいのか?」を知りたいものではないだろうか。説明が長いため、実際に本書の内容を業務に適用しようとすると、「結局どうすればいいか?」を自分で抽出し直す必要がある。
そして次に、本書に使われているスライド。これが、印象に残らないと感じた。例えば、本書の初めに載せてあるプレゼンスライド。模範例として載せてあるが、これが頭に入ってこない。その原因は色が薄くて見にくいことにあるのではないだろうか?
内容的にも野生動物に対してプレゼンするという設定で、あまり馴染みのない状況なため、頭で考えないとなかなか理解できなかった。このスライドをベースとして話が進んでいくため、これを頭に何とか入れる必要がある。それが読んでいる側の負荷となってしまうように感じた。
同じように、見た目ですぐ分かることをコンセプトとしている「図解の教科書」という本がある。その本は、非常に分かりやすい。説明が簡潔だからだ。
本書の最後ほうに載せてあるケーススタディは実用的かつ面白い。パワポでやってしまいがちな悪例がと改善案が紹介されている。パワポの資料作りは時間をかけた割には見にくかったり、分かりづらくなる。それを解決したいという人は多いはずだ。
本のメインタイトルは「パワポ術」だか、実際には、主にプレゼン資料の作り方の流れを説明する内容だったと思う。個人的には、トヨマネさんならではの内容をもっと惜しみなく出した方がいいのではないかと思った。それが無いと、他のプレゼン資料の作り方の本と同じになってしまう。
以上、あまり良いことは書かなかったものの、内容としては実用的なので、自分の業務に生かしていこうと思う。